防犯カメラとプライバシー|個人情報保護法ガイドラインの確認点

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防犯カメラを屋外に向けると、自分の敷地以外も画角に入ることがあります。ここでは、個人情報保護委員会が公表している「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」の記載にもとづいて、防犯カメラの映像と個人情報保護法の関係を整理します。法律の解釈を独自に広げることはせず、ガイドラインに実際に書かれている範囲だけにとどめて紹介します。

防犯カメラの映像は「個人情報」にあたる場合がある

ガイドラインでは、「個人情報」とは生存する個人に関する情報であって、氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの、または個人識別符号が含まれるものと説明されています。そのうえで「個人情報に該当する事例」として、事例3に「防犯カメラに記録された情報等本人が判別できる映像情報」が挙げられています。つまり、映っている人物が誰か分かる映像は、撮影の目的や機材の種類にかかわらず、個人情報として扱われる場合があるという整理です。

法律の主な対象は「個人情報取扱事業者」

個人情報保護法の義務の多くは、「個人情報取扱事業者」にかかります。ガイドラインでは、個人情報取扱事業者とは個人情報データベース等を事業の用に供している者のうち、国の機関や地方公共団体などを除いた者をいうと説明されています。ここでいう「事業」とは、一定の目的をもって反復継続して遂行される同種の行為であって、かつ社会通念上事業と認められるものをいい、営利・非営利の別は問わないとされています。法人格のない任意団体や個人であっても、個人情報データベース等を事業の用に供している場合は個人情報取扱事業者に該当するとも記載されています。

カメラでの撮影が「要配慮個人情報」の取得にあたる場合

ガイドラインでは、要配慮個人情報とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいうと説明されています。政令が定める内容には、身体障害、知的障害、精神障害その他の心身の機能の障害があることなどが挙げられています。

要配慮個人情報の取得(法第20条第2項)では、個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで要配慮個人情報を取得してはならないとされています。その例外の一つに、本人を目視し、または撮影することにより、その外形上明らかな要配慮個人情報を取得する場合があり、本人の意思にかかわらず、本人の外形上の特徴により要配慮個人情報に含まれる事項(例:身体障害等)が明らかであるときは、あらかじめ本人の同意を得ることなく取得することができるとされています。ガイドラインはこの場合にあたる事例として、「身体の不自由な方の様子が店舗に設置された防犯カメラに映りこんだ場合(撮影による取得)」を挙げています。

個人情報取扱事業者に課される主な義務

個人情報取扱事業者に該当する場合、法律ではいくつかの義務が定められています。安全管理措置(法第23条)では、個人情報取扱事業者はその取り扱う個人データの漏えい、滅失または毀損の防止その他の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならないとされています。利用目的の通知または公表(法第21条第1項)では、個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかにその利用目的を本人に通知し、または公表しなければならないとされています。

第三者提供の制限(法第27条第1項)では、個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならないとされています。ただし、人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるときなど、法律が定める例外もあります。保有個人データの開示(法第33条)では、本人は個人情報取扱事業者に対し、自分が識別される保有個人データの開示を請求できると定められています。

録画した映像が「個人情報データベース等」にあたるかどうか

個人情報取扱事業者の義務の多くは、正確には「個人情報データベース等」を事業の用に供している者にかかります。ガイドラインでは、個人情報データベース等とは、特定の個人情報をコンピュータを用いて検索することができるように体系的に構成した、個人情報を含む情報の集合物をいうと説明されています。コンピュータを用いていない場合でも、目次や索引などを付けて他人が容易に検索できる状態に置いているものは該当するとされています。

この定義では、特定の個人情報を検索することができるように体系的に構成されていることが要件になっています。

個人情報保護委員会が周知している資料

個人情報保護委員会は、令和5年3月に「犯罪予防や安全確保のための顔識別機能付きカメラシステムの利用について」を決定・公表しています。これは、令和4年1月に設置された犯罪予防や安全確保のためのカメラ画像利用に関する有識者検討会がとりまとめた報告書を審議したうえで公表されたものです。これに関連する広報資料として、リーフレット(令和5年6月)と「民間事業者向け カメラと個人情報保護法」パンフレット(令和5年12月)が案内されています。カメラの運用者向けに、より具体的な留意点を確認したい場合は、こうした委員会の資料にあたる方法があります。

個人情報保護法・ガイドラインの主な論点

論点 ガイドライン等の記載
個人情報の定義 生存する個人に関する情報で、氏名等により特定の個人を識別できるもの
該当する事例 防犯カメラに記録された情報等本人が判別できる映像情報(事例3)
個人情報取扱事業者 個人情報データベース等を事業の用に供している者
個人情報データベース等 特定の個人情報を検索できるよう体系的に構成した情報の集合物
「事業」の意味 反復継続して遂行される同種の行為で、社会通念上事業と認められるもの(営利・非営利を問わない)
要配慮個人情報の取得 原則は本人の同意が必要。目視・撮影で外形上明らかな場合は例外(法第20条第2項・同項第8号)
利用目的の通知・公表 取得したら速やかに本人へ通知するか公表しなければならない(法第21条第1項)
安全管理措置 漏えい等の防止に必要かつ適切な措置を講じる義務(法第23条)
第三者提供の制限 原則、本人の同意を得ずに第三者へ提供してはならない(法第27条第1項)
保有個人データの開示 本人は開示を請求できる(法第33条)

防犯カメラの映像は、映っている人物が判別できる場合には個人情報にあたるとガイドラインの事例に示されています。一方で、法律の義務の多くは「個人情報取扱事業者」、より正確には特定の個人を検索できるように整理された「個人情報データベース等」を事業の用に供している者にかかるものです。具体的な運用に迷う場合は、ここで挙げた個人情報保護委員会の資料や、法令・ガイドラインの原文にあたって確認する方法があります。

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