GPSウォッチの精度は何で決まるか|対応衛星とマルチバンド

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※本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。仕様はメーカーの公表値にもとづくもので、実機を使用したレビューではありません。

同じコースを走ったのに、軌跡がビルの中を突き抜けている。GPSウォッチではよくあることです。なぜ起きるのか、どうすれば減らせるのかを整理します。

そもそも何を測っているのか

GPSウォッチは複数の衛星からの信号が届くまでの時間差で位置を割り出します。時計自身が位置を「知っている」わけではありません。

したがって精度は、いくつの衛星を、どれだけ正確に捉えられたかで決まります。ここに3つの要素が関わります。

要素1:対応している衛星の系統

「GPS」は米国のシステムの名前です。実際には複数の国のシステムが並行して動いており、まとめて GNSS と呼びます。

系統 運用
GPS 米国
GLONASS ロシア
Galileo 欧州
BeiDou 中国
みちびき(QZSS) 日本

掴める系統が多いほど、同時に見える衛星の数が増えます。ビルで半分が遮られても、残りで測位できる確率が上がります。

現行の Garmin では、対応が機種ごとに分かれています。

モデル 対応衛星
Forerunner 170 GPS / GLONASS / Galileo
Instinct 3 AMOLED(45mm) GPS / GLONASS / Galileo / みちびき + GNSSマルチバンド
Instinct E(45mm) GPS / GLONASS / Galileo / みちびき
Venu 3 GPS / GLONASS / Galileo / みちびき
Forerunner 570(47mm) GPS / GLONASS / Galileo / BeiDou / みちびき + GNSSマルチバンド
Forerunner 970 GPS / GLONASS / Galileo / みちびき / BeiDou + GNSSマルチバンド
Forerunner 965 GPS / GLONASS / Galileo / みちびき + GNSSマルチバンド

※ 仕様はメーカー公表値です。購入前に各製品ページで最新の内容をご確認ください。

みちびきが日本で効く理由

内閣府のみちびき公式サイトによると、GPS 衛星は、都市部や山間部ではビルや樹木に電波が遮られて見える衛星の数が減り、位置情報が安定して得られないことがありました。

みちびきは2018年11月から4機体制で運用されていて、常にほぼ天頂方向(真上に近い方向)に測位衛星がある状態になったことで、ビルや樹木で視界が狭くなる都市部や山間部でも、より安定した測位ができるようになったと説明されています。

都市部や山間部を走る人ほど、みちびき対応の有無を確認しておく価値があります。Garmin の仕様表では「みちびき(補完信号)」と表記されています。

要素2:マルチバンド

表の中では、Instinct 3 AMOLED と Forerunner 570・965・970 の仕様に 「GNSSマルチバンド」 の記載があります。

これは、同じ衛星から複数の周波数帯の信号を受け取る仕組みです。

Garmin 日本の製品ページでは、複数の周波数帯を受信できることで、GNSS信号の干渉が多い環境(ビル街や森林など)での位置情報の精度が向上すると説明されています。

内閣府のみちびき公式サイトも、電離圏による誤差を解消するには、L1 と L2(または L5)のように複数の周波数を組み合わせて測位する必要があると説明しています。

公式が例に挙げているのは、次のような場所です。

  • ビル街
  • 森林(樹林帯のトレイルなど)

逆に開けた河川敷や公園では、マルチバンドの有無による差は出にくいと考えられます。

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要素3:環境と使い方

機種を変えなくても改善できる部分があります。

スタート前に位置を確定させる

建物から出てすぐ走り始めると、衛星を捉えきる前にスタートします。最初の数百メートルが大きくずれる原因のひとつです。

屋外に出て、測位完了の表示を待ってからスタートしてください。

手首の向き

アンテナは時計の中にあります。腕を体の内側に抱え込むフォームだと、身体が信号を遮ることがあります。

設定を「精度優先」にする

機種によっては、GPS のみ/マルチGNSS/マルチバンドといった測位のモードを選べます。Garmin の公表値も、GPSモード・マルチGNSSモード・マルチGNSSマルチバンドモードのように、モードごとに稼働時間が分かれています。

衛星を多く使うモードほど、稼働時間の公表値は短くなります(Forerunner 965 なら GPSモード約31時間、マルチGNSSマルチバンドモード約19時間)。Forerunner 570・965・970 などが対応する SatIQ は、環境に応じて最適な GPS モードを自動で選び、位置精度を落とさずに稼働時間を最適化する機能だと説明されています。

距離が合わないときの見方

「トラック1周が400mにならない」という悩みは、GPSの原理上ある程度は避けられません。

軌跡が小刻みに揺れると、その揺れの分だけ距離が加算されます。実際より長く出ることがあるのは、このためです。

トラックでの練習が中心なら、GPSの距離ではなくトラックの距離を基準にするほうが確実です。

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まとめ

  • 掴める衛星の系統が多いほど有利。日本ではみちびき対応も確かめる
  • マルチバンドは、ビル街や森林など信号の干渉が多い環境での精度向上がうたわれている
  • 開けた場所を走るなら、マルチバンドの有無による差は出にくい
  • 機種より先に「測位完了を待ってからスタートする」のが効く
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